TAKTOPIA HUB 【休学座談会】ゲストインタビュー part.3

森山さん写真キャッチ

TAKTOPIA HUB 【休学座談会】開催まで残り1週間となりました!3人目のゲストは森山健太さんです。大学入学以降「自分がやりたいこと」を探し続けた森山さん。人との出会いを通して彼がたどりついた答えとは?自分を探し続けた森山さんの現在までの軌跡をお伺いしました。


◆ 当時から尊敬した人に一直線についていく性分でした

——大学入学はどのように決められましたか?

いつも、とびきり尊敬する『人』とのめぐり合わせと相まって決断することが多いです。大学は、高校の恩師から勧められた大学1本に絞って受験しました。当時から尊敬した人に一直線についていく性分でした。

 

◆ 「もう少し謙虚になりなさい」

——大学入学後はどのように過ごしましたか?

「自分がやりたいこと」を見つけたいと思い、大学の授業として開講されていた起業家育成講座に参加しました。そこで出会った女性起業家・高橋ゆきさんに憧れ、彼女の会社でインターンさせていただけることになりました。しかし、1年経ってもなかなか大きな成果を上げることができませんでした。

 

そんな日々が続く中、担当の上司に、社内の不要紙をひたすらシュレッダーにかける作業を指示されました。それをきっかけに「自分はゆきさんと一緒に働くために来たのであって、シュレッダーをかけに来たわけじゃない」と直訴しました。その結果、1か月だけゆきさんと一緒に働くことを許されたんですが、彼女と働く中で、ゆきさんから直接叱られました。

 

「あなた自信過剰よ。もう少し謙虚になりなさい」

 

衝撃でした。なぜ、ぼくは1年経っても良い仕事ができなかったのか考えさせられましたね。そこで、自分が会社のためではなく自分のために活動していたことに気づいたんです。ゆきさんにはすべて見抜かれてました。その上で、「覚悟を決めて生きなさい。生きる実感が変わってくる」と愛を込めて送り出してくれました。

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日本初の家事代行企業を立ち上げた高橋ゆきさん

 

◆ 初めて社会的責任を負ったように感じました

次に巡り合ったのが、東北食べる通信の編集長・高橋博之さんでした。食べる通信は、生産者の物語とともに、彼らが丹精込めて作った野菜を届ける“食べ物付き情報誌”です。「東京に住む人には、“ふるさと”がない人が多い。彼らは、自分の根っこが失われた“ふるさと難民”だ。」「誰もが1日3食とる食べ物をきっかけに、その裏側にいる農家・漁師と出会い、つながり、地図上にはない“ふるさと”を作ることが地方創生だ」という話が印象的でした。博之さんが「新しく食べる通信のウェブ版を立ち上げる」というので、WEBメディア・食べるタイムスの立ち上げに加わりました。

 

40397944_712369145792259_7490238001457397760_n東北食べる通信代表の高橋博之さん(中央上)

 

——食べるタイムスでの活動はどうでしたか?

 

自分で面白い農家を見つけて会いに行こうと考えました。当時、ネットで10万シェアされていた記事を見つけ、すぐ電話でアポを取り、翌日には静岡県の富士宮市まで会いに行きました。それが“タケノコを1億円掘った男”タケノコ農家の風岡さんです。めっちゃフレンドリーで気さくな兄ちゃんみたいな人で大好きになりました。

40304177_2172527816330214_7703163689511157760_nタケノコ農家の風岡直宏さん

 

——風岡さんの取材活動で印象に残っていることは何ですか?

 

風岡さんをもっと多くの方に知ってもらおうと自主企画したイベントが大きかったです。70人の方に来ていただきましたが、企画から集客、当日の段取りまで1人で行いました。初めて社会的責任を負ったように感じましたし、風岡さんや、見守ってくれた先輩、そしてお客さんから「大人」にしてもらいましたね。帰り道、人に喜んでもらった達成感から自然と涙が出たことを覚えています。

40348253_511234326014635_5140105169228267520_n自主企画「風岡さんがとったタケノコと、風岡さんが丸太でぶっ倒した130kgイノシシで作る、極上カレーイベント」にて

 

◆ 自分のためだけの人生なんてありえない

 

——休学期間中の活動について教えてください。

 

4年の後期から休学しました。風岡さん以外にも、いろんな人と出会って、さまざまな価値観を見てみたいと考えたからです。青森から佐賀まで全国10数軒の農家や漁師をインタビューしました。自分たちがこの土地を守るとか、盛り上げるという強烈な使命感を感じている方が多くいました。

たとえば、山形県小国町に熊の狩猟をするマタギという人たちがいます。その中に1人だけ蛯原紘子(えびはらひろこ)さんという女性の方がいて、その人にインタビューをしました。蛯原さんは大学時代、日本画を描いていました。緊迫感のある絵を書きたいと思った彼女は、クマに会いたい一心からマタギという職に魅かれていきます。もともとマタギは女人禁制の職だったんですが、その掟を破るくらいマタギを愛して、マタギになるんですね。

蛯原さんマタギとして活躍する蛯原紘子(えびはらひろこ)さん

 

興味深いのは、彼女の思いが徐々に「自分」の好奇心から、命を預け合うマタギの先輩との関わりへ、そしてマタギ文化の継承へと変化していくんです。自分の興味で始まったことが、だんだん地域とか社会とか伝統に対して開かれていく。「自分とは何か」を考えるとき、自分だけで考えようとしがちだけど、自分のルーツだったり、周りの人との関係性に目を向けることが大事だと実感しました。自分のためだけの人生なんてありえない。歴史、社会との関わりにおいて自分があることにようやく気づいたんです。

雪山にて 蛯原さんが所属する山形県小国町五味沢班のマタギたち

 

——今後の目標について教えてください。

食べるタイムスを卒業するまでに、自分が抜けても継続できる組織体制を築いていきたいです。自分が立ち上げたプロジェクトに責任がありますし、社会貢献を持続可能な、本当の社会貢献にするためにも、収益構造があるプロジェクトにしたいと考えています。

 

来年からは平成建設という会社で働くことが決まっています。就活する中でいろんな業界を見ましたが、似たような思想をもっている企業がないかと調べ、見つけた会社です。大工が急速に減少していることを懸念し、自社で大工を育て、伝統を次の世代に繋げていこうとする姿勢に魅かれました。来年入社する会社が100年後にも存在するようにすることが今の目標です。

 

IMG_1591森山さん、来年から働く平成建設の会社前にて

 


以上、3人目のゲスト森山健太さんのインタビューでした。

1人目のゲスト(三高菖吉さん)のインタビューはこちら

2人目のゲスト(濵田太郎さん)のインタビューはこちら

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ライター:辻村隆文


第6回TAKTOPIA Hub

日時:9月8日(土)15:00〜17:00(その後17:30まで懇親会)

場所:風土は food から (〒101-0054 東京都千代田区神田錦町 3 -15  錦町ブンカイサン 1-2F)

テーマ:大学休学(ギャップ・イヤー)

料金:無料(懇親会参加の方は500円)