発売から1ヶ月、重版決定!IELTSスピードマスター著者・嶋津幸樹インタビュー

IELTSのライティングとスピーキングで高得点を取るための学習法とは?

近年ますます注目を集めているIELTS。IELTSは世界中で受験されている英語検定試験で、年間約300万人もの人が留学や移住、就業のために受験しています。日本でも2016年には年間受験者数37,000人を超え、毎年受験者数が増えています*。

留学等に必要な高いスコアを取得するためにSpeaking、Listening、Writing、Readingそれぞれの対策が必要ですが、全てに共通して必須となるのが語彙力です。「語彙力が足りなくて…」という悩みは、英語学習者なら誰もが経験するものでしょう。

発売から1ヶ月で増刷となり、英語学習者の中で注目を集めているIELTS英単語帳『IELTSスピードマスター(Jリサーチ出版)』の著者でありタクトピア英語教育事業部ディレクターの嶋津幸樹に日本人がもっとも苦労するIELTSのライティングとスピーキングで高得点を取るための英単語学習法について聞きました。

*引用:IELTS白書 https://www.eiken.or.jp/ielts/pdf/ielts_hakusyo2017.pdf

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まず、IELTSで高得点をとるための語彙というのは、IELTSに特化した特殊なものなのでしょうか。

全世界で毎年約300万人が留学はもちろん、移住や就業の目的でIETLSを受験しています。つまりIELTSはアカデミック英語、日常英語、ビジネス英語を問わず、世界基準の英語試験として認められているということです。ですので、この試験に必要な語彙力というのは、決して試験に特化した特殊なものではなく、IELTSを受けて世界へ飛び出した時にも役に立つ使える語彙力だと言えます。IELTSで差をつけるのは語彙力です。ライティングとスピーキングの評価基準でも語彙の豊富さ(Lexical Resources)が評価されます。いかに低頻出語彙を用いたネイティブらしい違和感のない表現を適材適所で使えるかが勝負です。

 

それでは嶋津さんが言う「使える」語彙力とはどんなものなのでしょうか。

まず大切なポイントはコロケーションです。コーパス言語学という研究分野では頻出度合いはもちろん、その単語に付随して頻出する前後の単語まで特定できるようになりました。コロケーション(collocation)の語源は「共に(co)」「位置する(loc)」で、相性の良い単語同士の繋がりとでもいいましょうか、よく使われる単語同士の組み合わせのことをコロケーションと言います。これは英語に限った話ではないので、日本語で考えてみましょう。

例えば「閑静な」という言葉の後に続くのはどんな言葉でしょうか?

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一つ言葉を思い浮かべてください。多くの人が「住宅街」と答えます。「閑静な」は物静かで落ち着いた様子を表す言葉なので、意味上は「閑静な人」や「閑静な教室」というのも通じるはずです。しかし、そうは言いませんよね。これはコロケーション的に「閑静な」という言葉は「住宅街」と一緒に使われることが多い、ということです。このコロケーションを意識して語彙を増やしていくことが「使える」語彙力を習得するためには不可欠です。

 

コロケーションを意識した語彙習得をするとどのような利点があるのでしょうか。

「閑静な人」というような不自然な文章を避けられることはもちろんですが、日本語の直訳では難しい文章もコロケーションでまとめて覚えてしまえば、簡単になります。例えば「薬を飲む」を英語にするとどうなるでしょうか。日本語をそのまま訳すと”drink a medicine”ですが、正しくは”take a medicine”となります。つまり日本語では薬は「飲む」ものですが英語では”drink”ではなく、”take”するものなのです。同様に、「傘を差す」や「辞書を引く」も”open an umbrella”や”use a dictionary”でまとめて覚えておけば、日本語の直訳による不自然な文章を避けられます。

 

コロケーションを意識して複数語のフレーズを覚えることが自然な英語を習得する秘訣なのですね。それでは実際にはどのように学習を進めれば良いのでしょうか。

残念ながらコロケーションを覚えただけでは「使える」語彙力にはなりません。なぜなら語彙には見てわかる、聞いてわかる受容語彙(インプット語彙)と話せる、書ける発表語彙(アウトプット語彙)の2種類があり、ただフレーズを理解して覚えるだけでは受容語彙にしかならないからです。「使える」語彙、つまり発表語彙を習得するためには練習が必要です。練習のポイントは文脈の中で覚えた語彙を使ってみることです。その使える語彙を私が実際にどのように身に付けたのかを今回出版したIELTSスピードマスターを使って紹介していきます。

 


STEP1 伝統的な意図的な英単語学習を実践する

まずは英単語を見て瞬時に日本語に変換できるかの確認のため、重要単語列の英語→日本語を繰り返します。IELTS受験者対象の単語帳のため、見出し語は瞬時に英語から日本語に変換できることを想定しています。どうしても覚えられない単語に関しては右端のCheck Point!列に書かれた語源や派生語、関連語彙を見て記憶に焼きつけましょう。すべての英単語には物語があります。英単語を使い自分に合った覚えやすいストーリーを作ると記憶に定着します。

次の段階では付属の赤シートで英単語を隠し日本語→英語を繰り返します。瞬時に英訳できるようになるまで繰り返します。このとき発音に注意しながら日本語→英語を繰り返すことが重要です。多読多聴を繰り返してコンテクストから事前に英単語を身に付ける偶発的学習(implicit learning)が善とされていますが、実は日本人のIELTS受験者に多く見られる大人の学習者にはこのような意図的学習も有効であるということが分かっています。

単語

Step 2 高頻出のコロケーションを記憶する

次にコロケーションのページに移ります。赤シートを使うとターゲット英単語の先頭のアルファベット以外が見えなくなる仕組みになっています。つまり最初の単語は 医者に診てもらうために病院に行く go to see a d_____ というようにターゲット英単語が隠れます。この状態でコロケーションが瞬時に発音できるようになるまで繰り返します。音声ファイルをダウンロードして発音や音調を意識しながら発音しましょう。最終的には日本語だけを見てコロケーションが瞬時に口から出てくるようになることが大切です。

コロケーション

 

Step 3 コンテクストを設定して実際の場面を想定する

ここまでは誰もが行う基本的な英単語学習法ですが、ここからがIELTSで高得点を取るために必要な練習です。IELTSスピードマスターにはIELTS頻出の40個のトピックが厳選されそれぞれ30単語とコロケーションが掲載されています。上記のように覚えたコロケーションを自分で設定したコンテクストで実際に使ってみることがとても大切です。

例えば上記のコロケーションを覚えた段階でHealth/ Hospitalというコンテクストを設定し短文を作ってみます。

このときに自分に深い関係がある身近なストーリーや面白い内容や登場人物などを使ったストーリーを作ることが秘訣です。記憶に定着させるためには何事も自分事でなければなりません。

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実際に過去に出たIELTSのスピーキングPart 2の問題を見てみましょう!
Describe a time when you had to go to the doctor/ hospital as a child.

You should say:

what was wrong with you

what happened at the doctor/ hospital

how you felt at that time

And explain what treatment you were given to help you get better.

このような質問をされたときに瞬時に低頻出語彙を含んだコロケーションを使えるかによって採点基準となっている語彙の豊富さ(Lexical resources)に影響します。ライティングでも同様に与えられた題材に対し如何に豊富な表現が出てくるかがカギになります。

 

最後に英語学習者にメッセージをお願いします。

IELTSスピードマスターにはイギリス留学中に遭遇した基本的なコロケーションからIELTSのリーディングで出題された低頻出語彙まで幅広くカバーしています。そして実際に私がIELTSスピーキングで8.5を獲得したときに多用した表現も掲載しています。是非ここに掲載された使えるコロケーションを活用して高得点を目指してください!

 

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