Interview#03自分の可能性を信じ続けた先にあるもの。成功の定義は人それぞれ違っていい

鈴木琢也さんに続き、12月23日にスピーチをしてくれたロンドン大学生:サマンサさんのお話を紹介します。国費留学生として英国へ。一見、華々しいキャリアですが、失敗の連続がそこにはありました。人の期待ではなく自分の心に従って行動することの大切さ、自身の想いを、日本語で学生へ発表していただきました。一歩を踏み出せずに悩んでいる学生の皆さんには是非読んで見てくださいね。

Samantha Lauさん
ロンドン大学(UCL)スクリーンショット 2015-12-25 10.23.41
シンガポール出⾝。シンガポール政府から大学院での修⼠課程までの学費支援が受けられる「給付型奨学⾦」を得て、高校卒業後に渡英。ロンドン⼤学に進学し、⽇本史を専攻。⽇本語能⼒検定3級取得。趣味はテニス。

 

 

はじめまして、サマンサと申します。私はシンガポール出身です。18歳までシンガポール国内で勉強し、高校を卒業した後に政府の奨学金を得て、ロンドン大学に進学しました。この奨学金を受給する代わりに、修了後はシンガポールへ帰国し6年間政府で働くことになっています。

2011 With the President of Singapore - APYLS

ここまで話を聞くと、私の人生は「うまくいった」と思われるかもしれません。
海外留学経験があるし、卒業前に就職も決まっているし。確かに私は幸せです。
でも、人生を振り返ってみると、実はこれまでに沢山の浮き沈みに直面してきました。

私には才能があまりないから、ずっと努力を重ねてきました。

「なんとなく」で中学生のとき学校でも授業内容が一番大変なコースに入ったり、競技テニスに参加したり、生徒会に入ったりしていました。最初は一生懸命勉強し、友達と一緒に頑張るのが楽しいと思ったので、なんとか頑張って続けていられました。

でも、次第に親や先生達が私に「期待感」を持ち始めたように感じ始めました。
そして、その期待に必ず応えなければならないというプレッシャーを感じるようになり、失敗することへの不安に陥りました。

2011 Vietnam OCIP


その気持ちは、多分皆さんも分かると思います。
シンガポールの教育制度は、日本と同じように厳しくて子供達に高いストレスを感じさせます。高校を卒業した後、そんな「競争的で制約の多い環境」はもう限界だと思い、イギリスに留学することを決めました。家族や友達と離れるのがちょっと怖かったのと同時に、ようやく好きなことをやることができ、自分のために生きていけることを楽しく感じました。
若い時に不安でいっぱいになるのは当たり前です。

成功できるのか?
自分で人生をつくり上げていくことができるのか?
高校でいい成績をとるのは、いい大学に入ろうと思うからです。
そうして、「いい大学」で「いい成績」を取ったら、「いい仕事」に就けるでしょう? そしたら仕事で「いい成果」をだして、、、と続いていきます。

その考え方は別に悪いことじゃないと思います。しかし、その場合の「成功」とは自分で考える目標ではありません。他人からの評価に過ぎなく、限りがないのです。私は、そうした考えに慣れることで、知らない間に「成功すること」に私たちの人生がすべて食い尽くされてしまうと理解するようになりました。

成功の定義は絶え間なく変わっていくので、私は成功にこだわらずに、たくさんのことに挑戦したいと考えています。この場所で、しかも日本語で私の考えを表現するのは、私にとって大きな挑戦だけれど、やり遂げたいと思っています。

来年大学の学部を卒業すると働くまでにあと1年しかないから、大学院まで進み、もっと学生生活を送ろう。研究を続けるためにアメリカの大学院に進学し、アメリカで暮らしていろんな経験をしよう。そう思います。

確かに新しい場所でもう一度、新たな人生を始めるのは難しいけれど、私は自分で考えて決めた「成功」を追いかけたいです。私自身がそう生きたいと願っています。これから人生を踏み出す皆さんにも、それを願ってやみません。

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