IELTS6.0から8.5にUP!『IELTSスピーキング完全対策』の著者・嶋津幸樹インタビュー

タクトピアの英語教育エキスパート嶋津幸樹とタクトピアIELTS研究チームが執筆した『IELTSスピーキング完全対策』が2020年3月に発売となります。今回の著書は2年前に発売された『IELTSライティング完全対策』の続編で日本人学習者が苦手とするアウトプット対策をまとめたものです。

出版を記念して著書に関するインタビューを実施しました。6.0から8.5(IELTSは9.0満点)までスコアをUPさせた著者の戦略と秘訣のエピソードをお楽しみください。

Screen Shot 2020-03-10 at 14.27.04

2018年に発売された前回のライティング本に続きスピーキング本を執筆することになったきっかけを教えて下さい。

IELTSを受験し始めた大学院進学前からスピーキング本の構想は出来上がっていました。それは初めて受験したときにIELTSは単純な日常英会話力を測る試験ではないと感じたからです。日常的に考えることのない個人の趣味嗜好に関する話題や答えのない抽象的議題まで幅広い内容を限られた時間内に意見表明する必要があるのですが、だからこそ戦略的に試験を攻略していくことで確実にスコアを上げることができると実感したのがきっかけです。

Screen Shot 2020-03-10 at 15.15.44

 

6.0から8.5までさせた経験談をお聞かせください。

私が初めて受験したのは 2011 年。「IELTS」という言葉の読み方さえもわからなかったこと、そして初めて IELTS を受験したときの衝撃を今でも鮮明に覚えています。スピーキング会場で個室に連れて行かれネイティブスピーカーと14分間一対一の対話形式で進行するテストが始まりました。Part1はすんなり回答できましたが、そこで度肝を抜かれた質問はこちらです。

How do people in your country feel about birds?
「あなたの国の人々は鳥についてどう感じますか?」

日本語でも回答できないような話題を振られ、ただただ試験官の目を見つめ、 しどろもどろしているうちに次の質問に移ってしまい、そこからさらに複雑で予想外の質問が飛び交い、呆然としたまま 14 分が過ぎていきました。その時の結果は6.0でした。そこから戦略を練り、IELTSの過去に出題された問題をまとめて約1年後に8.5を獲得することが出来ました。

Screen Shot 2020-03-04 at 22.06.44

一体何をすれば6.0から8.5までスコアを伸ばすことができると思いますか?

対策としてはレベルに合わせた段階的な訓練が必要です。何よりも日本人英語学習者は日本語における知識や経験があるため、その第一言語を上手く活用して戦略的に自己鍛錬することが大切です。IELTS5.0程度の学習者に私がおすすめするスピーキング対策は和文英訳です。これまで中高生を指導してきてスピーキング能力をネイティブライクネス(ネイティブスピーカーに近いレベル)まで伸ばすことのできる生徒の特徴は、瞬間的な和文英訳能力です。中学レベルの基本文法をベースにした200の例文を瞬間的に和文英訳し、スムーズに訳せない文法事項を帰納的に対策していきます。IELTSスピーキング6.0以下の学習者に共通するのはこの基本文法をアウトプットする力です。基本文法、つまりSVO(主語・動詞・目的語)の文章を作ることができればあとは表現のインプットです。こう聞かれたらこう表現するという所謂テンプレートを構築していきます。IELTS7.0を超えた学習者はその表現のクオリティを磨いていく作業になります。この場合はこの単語のほうが適切であり、この話題をこう表現するといったような議論を通して正確さと流暢さをバランス良く向上させることができます。

今回執筆された本の特徴はなんですか?

ライティング完全対策と同様にIELTS9.0(満点)を有するチームによる英文作成で確実に7.0以上取れる表現を意識しました。全ての問題にポイント解説を付けてIELTSに関する知識やIELTSで高得点を取るための表現を掲載しています。また先程お話した基本文法をベースにした200のIELTS基本例文集をウォームアップとして掲載しました。しかもそれらはIELTSですぐ使える自己中心的な(自分を主語とした)例文で構成されています。IELTSのスピーキングではあらゆる観点から自分のことを表現することが求められるので、自分を語る上で必要となる和文を瞬間的に英訳する訓練ができます。

Screen Shot 2020-03-04 at 21.39.33

この単語を使ってください。の部分のヒントを使い、瞬間的に和文英訳する訓練をした上でExercise部分に突入してもらうことが理想です。実は多くの学習者がこのシンプルな和文英訳で躓きます。簡単な表現ほどスムーズにアウトプット出来ないことが多いので、日頃から他愛もない会話やテレビの内容などを英語に置き換える癖をつけることも大切です。本書の中でもFrom morning to nightという自分の一日を英語で振り返るアクティビティも紹介しています。まとめると基本文法事項を理解して基礎を抑えないといくら応用問題を繰り返しても定着は見込めません。着実に基礎問題や短文で簡潔な文章をアウトプットする訓練をすることをおすすめします。

つまり中学レベルの基本的な例文を瞬間的に和訳する訓練から始めるわけですね。

そうですね。この例文を通して苦手な文法事項を特定し、文法を克服した段階で本編のExercise部分では実践に入ります。IELTSスピーキングによく出題される20のトピックを厳選してPart 1からPart 3まで模範回答を作り、その中で使われた表現をピックアップして全てのページにポイント解説を入れました。

Screen Shot 2020-03-10 at 15.05.00

 

 

ポイント解説では表現の幅を広げるために知っておくべき語彙の微妙な違いやよく使えるフレーズや豆知識を掲載しました。famous「有名な」という一言を使うときにもwell-known(よく知られている)、notorious(悪名高く有名な)、noted(特定の分野で有名な)、reputable(評判が良いと知られている)、distinguished(名高く造詣深い)ととった多種多様な表現を例文と共に紹介しています。IELTSスピーキングでは評価基準にLexical Resource(語彙力)があるので適材適所に低頻出語彙を活用することで高得点が狙えます。

Screen Shot 2020-03-10 at 15.05.51

情報がたくさん詰まった本ということが伝わります。では最後にIELTSスピーキング受験者にメッセージをお願いします。

IELTS受験者の皆さんはあらゆる目的を持って受験に望んでいると思います。私も数年前、IELTSの尋常ではないプレッシャーに苛まれ、感じあらゆる手を尽くしました。出版されている本やネット上の情報をまとめ自分に合った対策法を手探りで見つけていたような状況でした。今回の本では自分自身がIELTS受験者として欲しかったモデルアンサーや表現集を意識して制作しました。この本を使って十分なインプットを行い、自分のコンテクストに置き換えアウトプットする数を増やしていきましょう!皆さんの目標達成の一助になることを願っています。

Amazon先行発売開始はこちら!全国書店発売は3月16日(月)です。