Interview#03風変わりな教室で培ったユニークな視点 Dive into the world!

今回は、幼稚園、小学校とシンガポールのインターナショナルスクールに通い、日本の高校卒業後にユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)のファンデーションコースを経て現在UCLの人類学科2年生の後藤彩乃さんにインタビューをして来ました!

教室が教室じゃない?シンガポールのオモシロ授業について聞いてみましょう!

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—では早速、シンガポールの経験について教えてもらえますか?

私はシンガポールではIB制度のインターナショナルスクールに通っていました。生徒の国籍は白人(主にイギリス人)が多かったので、コミュニケーションはもちろん英語のみです。両親と家では日本語で会話をし、現地の日系塾で日本の科目も勉強しました。

—ユニークな学校だったとのことですが、どんな雰囲気だったのですか?
シンガポールでは教室が教室って感じじゃなかったんです。これは他のインターの小学校もそうかもしれないですが、まず生徒は互いに向かい合わせになるように座ります。そして議論をしながら授業が進行していく。つまり生徒が主役です。先生が一方的に話す授業は基本的に少なく、生徒同士で考える時間が多かったです。一つの質問に関して答えを導き出すまでにかなりの時間をかけていた印象があります。

インターナショナルスクールでは、ある事柄に関して各々がリサーチして、前に出て発表する機会が多かったと記憶しています。そこで私たちは、個々の考えが尊重されること、自分と異なる意見を聞き「こういう風に他の子は考える」ことを知ります。その意見にもちろん賛成するもよし、批判するもよし。そのプロセスによって、考える力や、論理的思考力、批判的思考力、即ち自分の意見を持つということが養われたように思います。また、自分の考えを人前で発表するという少し恥ずかしく、とても緊張する経験を小さい頃から重ねることはいろんな面で役に立っていると感じています。

ーとりわけ印象的な授業がありましたか?
小学校5年生の社会科の授業です。「格差について知る」という題材が与えられ、貧困国の労働者階級の気持ちになってロールプレイをしたことは今でも覚えています。

その授業では小さい教室に実際に缶詰になって作業をさせられます。先生たちが厳しい現場監督を演じ、私たちは突然理由もなく怒られたり、昇格させられたりして、もうびっくり。笑

労働者の”本当の気持ち”になりきって、世界で実際に起こっていることを体験させてもらいました。先生の迫真の演技には圧倒されました。ものすごい恐怖を感じたことをはっきりと覚えています。

ー中学から日本の学校に戻ったということですが、日本のことをどう思いましたか?
日本はとても便利で全てが揃っていると思いました。美味しいものがあるし、コンビニもあって便利だし、交通機関もちゃんとしていて…どこかしこも綺麗なので正直コタツみたいで出たくないな思ったことはあります。笑

でも、イギリスには世界各国から来る様々なバックグラウンドを持った人たちがいて、彼らと話すだけで自分にとっては刺激になります。

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ー今は日本語でインタビューをしていますが、今一番楽な言語はなんですか?またUCLに入る時にIELTSは必要でしたか?
私には英語も日本語もどちらも必要な気がしますし、片方だけが楽というのは多分ないと思います。どちらかがなくても生活には支障はありませんが、やはり日本語だけの生活になれば英語で話したくなり、英語だけで生活していれば日本語が聞きたくなり、聞こえる思わずとほっこりします。スペイン語は日常会話レベルで中国語とフランス語は聞いてなんとなくわかるレベルです。

日本の高校を卒業しているのでもちろんIELTSは受験しました。IELTSはスピーキングが面接官と対面ですのでとてもいいと思います。一応ライティングの対策をして結果的に8.5を獲得しました。TOEFL iBTとは違い、ペーパーベースなので私は集中しやすかったです。

ー現在のロンドンでの生活はどうですか?
とにかく物価が高いと思います。値段を見て、シンドルや円換算すると思わず目が点になることもしばしば。古くからの世界経済の要所ということもあり、割と近代的な高層ビルも少ないです。あ、ロンドンの人の歩くスピードは異様に早いです!!笑

UCLはロンドンにあるグローバルな大学だということを推していることもあり、(もちろん分野により比率はまちまちですが)留学生が多いと思います。

聞くところによると、最近ではアジアからの学生も多いらしく、中国人の方をよく見かけます。南米などから来ている国費留学生もいて、各々の母国のために貢献したいという熱意にあふれる話も聞きます。

UCLはリサーチベースの大学なので、在籍している教授は本や論文で名前を見たことある、その分野において著名な方が多いです。それでも、私の学科はかなりアットホームな感じで、教授が私たちの意見や質問に興味を持ってくれ、深いディスカッションができるとても貴重な環境だと思います。

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ー日本の学生にメッセージをお願いします!
情報を自分の手で入手し考えた上で、世界に出てみたいと興味を持っていただければいいなと思います。

先日、ロンドンに留学に来ている日本人たちと話していた時に、日本人の少なさに少し焦りを感じるということが話題に上がりました。
もちろん日本がダメだと言っているわけでは決してありません。誰もが絶対に海外に行かなければいけないということでは決してありません。日本は素晴らしい国ですし、私は日本が大好きです。日本国内でも学べることは多く、素晴らしい経験ができます。

しかし、これからの時代は国際化(グローバライゼーション)により他国の文化を直接知り、理解するということが様々な節で必要になってくると思います。もし国外で学ぶということに興味を少しでも持っていただけたら、是非チャレンジしてみてください!